Special Edition
絢の家の程近くで、
「なぁ、今日絢んち寄ってってもいいか?」
「え?あっ、うん。ママいるか分からないけど」
「んー、………いない方がいいっていうか…」
「ん?今、何か言った?」
「んー、別に」
フッ、絢には聞こえなかったらしい。
絢の自宅へ到着。
「ただいま~」
「お邪魔しま~す」
玄関で挨拶をすると、
「あらっ、いらっしゃい」
リビングから絢の母親が姿を現した。
「慧くん、ご飯食べて行くでしょ?」
「あっ、はい」
「じゃあ、美雪ちゃんには私から連絡しとくわね」
「すみません」
絢の母親は“何にしようかなぁ?”と言いながら
再びリビングへ姿を消した。
美雪と言うのは俺の母親で
今では絢の母親と親友と言えるほど仲が良いらしい。
お互いの家で食事をするのも
いつの間にか当たり前になっていた。