愛するが故に・・・
『あの…おっしゃってる事が良く分かりませんが、

仕事ではないのでしたら、用事もありますので、失礼します…』


私は、とりあえず、周りの目も気になって、

荷物を持ってそそくさとその場を立ち去った。

まったく、何を考えているのだろう…

しかも、話したこともないのに…いきなり食事って…

私にとってはあり得ないよ。

本当に…

和真さんも強引だとは思っていたけど、

この人は優しさもないわがままちゃんなんだと思う。

和真さんはいつも俺様な態度だけど、少なくとも私の意見を聞いてくれる。

まあ、それが通ることは少ないんだけど…

でも、この男は、一体何なのさ。

まるで、俺からの誘いが嬉しいだろうって言われているみたいだった…


腹立つ…


こんなときはマスターの店でゆっくり飲むのが一番だ。

私は、会社を出ると、マスターの店に向かった。
< 119 / 226 >

この作品をシェア

pagetop