極上の愛文

視線の交差点




あなたの瞳色になら、染まっていいわ


あなたのこと、深くまで知らないけど、直観でそう感じるの



わたしの薄くて柔らかい水性の瞳を、あなたの強くて熱い油性の瞳で、塗りつぶして欲しくなる


構わないわ、遠慮しないで



完全に染まってしまえたら、幸せなのに、でも、それはいけないような気がして


だから、偽りでも仮面でも、余裕が欲しくなる


水面にカラフルな油絵の具を浮かせて、下から覗いて、マーブルの色と模様が楽しめるくらいの



ひとり大人になろうとしている


だから、難なく、視線の交差点を渡ろうとしてみた


だけど、できなくて立ち止まってしまったわ


あなたの瞳が綺麗すぎて、眼差しが強すぎたの



本当は、全部染まりたい


その思いは視線でしか伝えられないけれど




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