天使の舞―後編―
急に真面目な顔をして、キャスパトレイユは乃莉子に真剣に告白した。


「乃莉子しか好きじゃない。
乃莉子だけを愛してる。
お前に永遠の愛を約束する。
だから、俺を信じろ。
絶対に後悔させないから。」


ミルクティー色の髪をした俺様王子はそう言って、乃莉子の頭に手を回すと、自分の胸に引き寄せた。


乃莉子の頬がキャスパトレイユの胸に触れると、トクトクトクという、早鐘を打つような鼓動が、耳に響いてきた。


乃莉子がそっとキャスパトレイユを見上げると、柄にもなく真っ赤になって照れているようである。


「乃莉子。」


キャスパトレイユの唇が静かに近づいてきて、乃莉子は瞼を閉じた。


唇が離れると、キャスパトレイユは耳元で囁いた。


「天界に戻ろうぜ・・・。」


「・・・・・・・・・・。
もう少し時間をちょうだい。」


こうして1ヶ月が過ぎた。


< 64 / 142 >

この作品をシェア

pagetop