黄昏の出会い
じっくり見てると…


…本当にキレイな人だ。



夕日のせいで、
髪が少しオレンジかかっているが……


銀色の長い髪が、どこか繊細さを感じさせた。


少し細めの青い瞳は、透明感がある海を思わせるような青。


水のように清楚さを感じさせる瞳だ。



肌も本当に男子か?と疑いたくなる程、白くてキレイで……小顔だ。


一見細そうな腕は意外とガッチリしてて……力強かった。



足もスラリとしてて、座ってても、スタイルがいいのが分かる。


妖怪や神様の中には、言葉にできない程美しいのがいるから、美人には見慣れている方だが……、



今まで見てきた人間の中で、氷室はかなりキレイな部類だ。


(中身はともかく)この容姿なら、王子と呼ばれるのも納得いく。



……あ、
目が合った。




「…話を戻すが……

さっきの霊に何をしてたのだ?」


「…ちょっと待て。どこまで見た?」



嫌な予感がして、
恐る恐る聞いてみると……。







「…閉じ込めよ、とか言っていた所から。」










…全部見られてるやんけーーーっ!!






そしてなんで気づかなかった、私っっ!!





自分の失態に落ち込む。



私の様子に気にせず、氷室が私と顔を向かい合わせるように移動した。



「……先程の事、
黙っておいてやろう。」


「……え?」



氷室は無表情だが…


…今のって、秘密にしてくれるって事…!?


わ、それかなり助かる……!!




< 32 / 62 >

この作品をシェア

pagetop