黄昏の出会い
-コトン


「?」



報告書が半分になってきた所で、手元に何か置かれた物に目を行く。



そこには、湯気を見せるお気に入りのマグカップ。



「はい。主様。
ホットミルクです。」


「……沙那…。」




ありがとう、とお礼を言ってミルクを飲む。



-昔から報告書を作る時、眠れない時、

沙那は飲み物を作ってくれた。


それはホットミルクだったり、ココアだったり、色んな物を。



昔から沙那のこの心遣いが、私は大好きだった。



いつもこの時間は、穏やかな気持ちにさせてくれたから。



ミルクを半分飲んだ所で、再び報告書を作る。



「主様。
…今日も荒ぶる妖怪を退治に?」

「ああ。
しばらくは、妖怪退治に出ないとね。」


画面を覗いたらしい沙那の返答に、キーボードを打ちながら答える。



「……よし、出来た。
沙那、頼むね。」


「はい。
主様、お休みなさい。」


完成した報告書を繁ジィの所に送り、ミルクを全部飲み干してカップを沙那に渡した。



沙那がいなくなって、私は寝巻きに着替えてベッドに潜る。


そこでやっと緊張が解けたような感覚に落ちる。




数分経った所で、ふと思い出す。



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