Oh!

2-まどろみの中の秘め事

「ほーん、それで帰っちゃったの?」

そう言ったのは当麻の弟、久世理人(クゼリヒト)だ。

理人が経営するジャズバーのカウンターで、たった今あたしは彼に今日起こった出来事を話したばかりだった。

「嬉しくなかったし…。

それに、話すことなんて特になかったから…」

そう言ったあたしに、
「10年近くのブランクは、やっぱりデカいかあ…」

理人はやれやれと息を吐いた。

こうして気軽に理人と話すことができるのは、同い年の幼なじみだからと言うことももちろんあるだろう。

当然、あたしが自分のお兄さんに初恋していたと言うことも彼は知っている。

「安奈が素直じゃないって言うのも、理由かも知れないけど」

「何ですって?」
< 6 / 115 >

この作品をシェア

pagetop