頑張れ舞



「おはよ舞!今日も、遅刻ギリギリだったね~!なんでって、バレンタインデーのプレゼントに決まってるじゃないっ」



舞を見て苦笑いして話す晴江



「あっ…そっか忘れてた!もう少しでバレンタインデーだもんね」


「そうそう」


又、編み始めた晴江に


「でっ?誰にあげるの?」


編む手を休めて


「やだぁ~っ決まってるじゃないっ陸上部の大谷先輩よ」



「えぇ~っ、あのイケメンもてもての大谷早人(はやと)先輩?」


「そうっ!」


無理なんじゃない?と思ったが、口にはださず


「じゃっ、チョコレートは?」



「もちろんっあげるわよっ~これと一緒にぃっ」



「それとっ?」



「そーよっ手作りチョコレートと手編みのセーター」



「……なるほどっ」



「これで彼に印象をつけるのよっ」


ガッツポーズをとって


「今時、チョコだけで喜ぶ人いないわよ」



「…なるほどっ」


「なるほどっ、なるほどって、舞っ!あなたも手作り挑戦してみたら?」



「へっ?……でっでもあたしっ、ぶきっちょだからっ あははっ…」



「あははっじゃなくて出来は、ど~であろうと要するに気持ちよっ!気持ち!」

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