頑張れ舞
「結城先っ……」
結城先輩と言いかけてピタッと足を止めた。
結城先輩が女の人と何やら話している。
「…っ」
同じボクシング部のマネージャーの岡崎渚(おかざきなぎさ)さんだ。
渚さんは結城先輩と同じグラス
…もうっ何話してるんだろ!結城先輩と2人きりなんてぇ~っ!
渚さんは何やらブツブツ言いながらメモを取っている。
も~っ!なぁ~に話してるのよ~っ!
我慢できず、結城先輩と渚さんの前に出た。
「舞~っ」
結城先輩が、びっくりした顔で言う。
「結城先輩っ!なぁ~にしてるんですかぁ~っ」
肩で息しながら結城先輩を睨んだ。
「あっ舞!違うってこれはっ」
「あらっ舞ちゃんじゃない怖い顔して可愛くなぁ~い!」
う~っ…でたかっ口悪女!
口が悪い上に性格も悪い黙ってれば美人なのに…
「結城君ありがと~じゃっあたしはこれで」
「あ~っ頑張れよ」
「頑張れよって結城先輩っ何?」
「んっ?あ~っ渚、セーター編むんだってさっ!彼氏にっ」
「…でっ?なんで結城先輩に?」
「俺の体型が彼氏に似てるからサイズ測らせてやったんだよ」