頑張れ舞



自転車置き場には、由紀が自転車に跨がって待っていた。



「えっ!!じゃぁ何っ、結城先輩の一言でセーター編む気になったの!?」



「うんっ!あたしだって、やる気になったら出来るって事、教えてあげるんだっ!
何が、彼氏と体型が似てるからサイズ測らせてよっ……まさかっ、結城先輩じゃないでしょうねっ!?」



「まぁまぁ、そう興奮しないでっ」



「だってぇ~」



あっ……



「あれっ…」



「んっ?何よ舞!」



「ねぇ~由紀!ほら~あそこっ、ねっ!よってこ!」



自転車を止めた先には、手芸店があり店頭の籠に大特価と書き色々様々な毛糸が山の様にあった。



「なぁ~るほど」



2人は自転車を降りて山の様な籠の中の毛糸を、かきあさった。



これっ…結城先輩に似合うかもっ


手に取ろうとすると!同じ毛糸をつかむもう1つのて手が……



えっ!?



手の先の人を見る。



なっ渚さん?
うそっ…!?
なんで?ここにいるの?部活は?



「渚っ…さん」



「あらっ舞ちゃん」



どうして、こんな所にと言う目で舞を見る。



「あ~渚先輩じゃないですかっ」



由紀が身の乗り出した言う。



「あなた達も?セーター編む?…とか?由紀ちゃんは分かるけど~……」



有り得ないと言う顔で舞を見る。



「なっ!なぁに言ってるんですかぁ、渚さん!部活は、どうしたんですか?それに、あたしだって!やれば出来ますよ!…たぶん」



「部活は、今日は用事があるからって!…まぁ~っ、せいぜい毛糸が無駄にならない様に」



にゃっと笑って舞が掴んだ毛糸を持ってレジに行く。


    
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