悪い男
フェラーリ
「てことでさ、詩織。」
「私たち、明後日ここを出るからね?二年から三年、帰ってこないから、よろしくね。」

ちょっと待ってよ。
パパ、ママ…。

あたし、聞いてない…よ?


日曜日の夜。
ご飯食べてぼんやり、テレビ見てたあたしに、2人は嬉しそうにそう言い出した。


しかもパリ。
パリってフランスじゃん。
遠いじゃん。

あたし、高2だよ!結構大事な時期になるよ!


でも。

あたしがなにをいっても、2人は笑いながら大丈夫、って繰り返してるだけ。


そして。
2人は、とんでもないことを言い出した。

「留守の間、隣の龍生くんとくらしてもらうから。安心しなさい。」

え。
え。

えええ!?
< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop