夢を探して。 ==獣使い==
《第二章》

==百獣の王==


ゆらゆら揺れる。
波のように。

ふわふわと浮く。
雲のように。

そこにあるのは私の意識。

身体はなく、魂だけがぼんやりとその場所に漂っている。



ーー起きろ、×××。



声が聞こえる。


ーーだれ?

ーー我は……お前。お前と我は表裏一体……


ーーそれなら、私はだれ?


一瞬、遅れて返ってくる声。


ーーお前は×××、だ。



名前のところだけノイズがかかったかのように音が入り、聞こえない。


ーーよく、聞こえないよ……







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