グランドで死ぬと決めたコーチ
食事が終わって、とうとう病気の話をちゃんと話そうと決め、病状を説明を改めてした。

千恵はそんな僕に、

「例え目が見えなくなっても、トシはトシだから…

私にとっては、姿も見えるし、声だって聞こえる。

歩く時は、ずっと手を繋いでいれるし…

もし死んでしまうなんてって考えるよりも、私は今のトシとの時間の方が大切だし、一緒に一分一秒を大事に使いたいって思うんだ。

だから、これから一緒に頑張ろう。」

これだけ大切に想ってもらっているって感じれただけで、幸せな人生だと思う。

十分だよ。

十分すぎるよ。

ごめん。

こんな僕を許してとは言わない。

そんな千恵だから、千恵の将来を僕も真剣に考えているんだ。

僕なんかのために苦労なんてする必要ない。
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