四葉探し
夢の中に居ることに気付く。

(だょなっ、早苗《さなえ》まだ子供いないし。ってか7つ子ありえないから・・・)

おばあちゃんもあたしが5歳くらいの時の若さだ。

よくよく見てみると、三ヶ月前に死んだラッキーが駆け回っている。

「犬だぁ〜!」
叫び走り寄る子供の群れ。

愛犬ラッキーはあたしの実家に十年以上いた。

一番仲良しだった人間はあたし。

だから死ぬ瞬間に何千キロも離れたあたしに一声くれた。

空耳じゃなくて、ほんとうに、聞こえた。

「ありがとう、またね」 って。

逝ってしまったと直感でわかった。

5分もしないうちにお母さんから電話がきた。

「ラッキーが死んだ」

(うん、知ってる)

「そうだったんだ。だからさっきお別れに来てくれたんだ。」

「そぅね、ラッキーは未環《みわ》のこと大好きだったもんねっ。」

死期が近いのをお母さんもあたしも知っていた。

理解していても涙が止まらなかった。

(よかった。ラッキーは天空で元気に駆け回ってる)

思い出し、再び涙が頬をつたう。

トントンッ−−

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