四葉探し
以外にも隣にしゃがむ拊秋。

(こんな近くに、二人並んで・・・ダメだぁ〜)
「見つかった?」

あたしの顔を覗き込むその無邪気な笑顔。

(やめてくれっ。)

身体が熱くなるのがわかる。そして、それを必死に隠すまいと懸命にクローバーを掻き分ける。

「今日はまだ・・・。」

(拊秋に会えただけで十分幸せ)なんて口が裂けても言えない。

最高の微笑むを返すあたし。

「じゃ、またなっ!」

あたしの頭をクシャクシャって撫でて立ち上がる拊秋。

「おぅ、またね」

あたしはそう答えて彼の背中を見送る。


(はぁ〜、もぅ十年だょ)

拊秋への言葉では単純に表し切れない思いに酔いしれ苦しむ。

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