お願い…先生。
あの日以来、
彼には会えず
春休みはおわり、
とうとう入学式になってしまった。

茉莉は
1年1組。

担任の先生が入ってきた。

!!!!


茉莉は自分の目を
疑った。

目の前にいたのは
彼だった。

『うそ…。』

先生はまだ気づいていない。

先生は一人ずつ
名前を呼んでいく…。

『……』
『はい』

『……』
『はい』

『…滝沢茉莉』
『…はい』

『……』

(あれ??
覚えてないのかな?
暗かったからかな?)

―でもそんなはずは
なかった。
だって、
あの日は満月で
お互いの顔が見えていたから…。

(忘れてしまったのかな…。)

そのまま
時間はたち、
終鈴の時間…。
『きりーつ!』

『れい!』

すると先生が
近づいてきた。
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