ヤミカレ
 ――愛。
 それは、この世で一番素晴らしい感情。
 私の彼は言う。
 愛さえあれば、何も必要ない。
 それ以外は、無駄なだけだよ。
 でしょ? アキ。
 と、私の名前を呼ぶ。
 私は「そうだね」と適当な相槌を打つ。
 僕はね、君が好きだ。愛してる。
 絶対に、絶対に離さないよ。
 そう言って背に腕を回してくる彼に、私は「うん」と頷くことしかできなかった。
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