手を伸ばせば君が。



そろそろ帰ろうと立ち上がった時、


「お兄ちゃん、またね!」


と、夏実が言った。



妹はこういう時に可愛く見えるんだなと思った。



俺は「またな。」と言って部屋を出た。



ちゃんと葉菜から預かったタオルを握って。



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