剣舞姫~新選組に出会う~
「はい、さくらです」
思いっきり弾んだ声ででる。

「うん、元気だよ駿兄は」
ごく普通の会話をしながら少し不安を覚える。
この時間は父を手伝っているはず…。

『ああ、元気だよ。それでーー』
歯切れが悪い。
ますます、不安感が高まる。
そして、駿兄から驚愕の事実が伝えられる。

『落ち着いて聞いて欲しい。それが……』
あえて淡々と話す駿。
話しがすすむほどに血の気が引いていくーーーー

『………と言うわけだ。さくら、悪いがこっちに来てくれ。お前に……』
「すぐ、行きます。神剣風神【白虎】っ!!」
駿の話を遮り、あるものを召喚する。
それは、一族に伝えられる秘術。
『さくらっ』
駿の叫び声が携帯越しに響く。
けれど、構っていられない。
《我が主、用向きは?》
現れたのは身長二メートル程の全身白銀に包まれた青年。
けれど纏う空気は人に非ず。
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