【長編】Little Kiss Magic 3~大人になるとき~

それから時が流れ、百合子と廉さんの婚約発表が囁かれ始めた頃、廉さんに想い人が出来た。

時々、彼女の話をする廉さんの初々しさに、微笑ましく思いつつも、いずれ摘み取られてしまう恋の芽を痛ましい気持ちで見つめていた。

だが、廉さんはどんどん変わっていった。

これまで大して興味もなかった仕事にも頭角を現し、率先してやる気になったのが、その彼女のおかげだというのだから、その惚れこみようときたら大したものだった。

彼女のおかげで廉さんがここまでの成長を遂げることが出来たのなら、この先二人を引き裂くより、このまま結婚させたほうが良いのではないかと春日に報告をした。

俺にしたら、彼女がこのまま廉さんと結婚して百合子を開放できないものかと都合の良いことを考えての事でもあった。


まさかそれが仇となるとは…。


なぜ、その時点で彼女についてもっと深く調べなかったのかと悔やまれる。


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