噂の三兄弟と遠い約束【Berry's Cafe限定】

一口分を、フォークで差したガトーショコラを

私の口元に持ってくる海翔さん。

だから、思わずパクッと頬張ってしまった。


ビターチョコの苦味と、ほんの少しの甘さが

大人のチョコレートケーキって感じ。


「コレも、美味しい・・・。」

「お前、面白いな。怒ったと思ったら、泣いたり笑ったり・・・忙しい奴。」

「コラっ、海翔。雪稀で遊ぶなっ。」


フワッと今までにない優しい笑顔を見せた海翔さんに、ドキッとしていると

グイッと肩を後ろに引っ張られ、空良さんに引き寄せられた。


「そ、空良さん?!」

「なんだよ。」

「いや・・その。」

「なんだよ、気持ち悪いな。ハッキリ言えよ。」

「あの、私の事。嫌いじゃないの?」

「はぁ?バカじゃないの。嫌いな訳ないだろ。」

「そっか。良かった。」


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