噂の三兄弟と遠い約束【Berry's Cafe限定】
そういや、この前は陸玖にぃ夜遅くに帰って来て
食べれなかったって聞いたな。
「陸玖にぃに買ってくれば?」
「うん。陸玖さん、スフレチーズケーキが好きなんだって。だから、それ買ってこようかと思ってるの。」
と満面の笑みを浮かべる雪稀。
胸のあたりが、ズキッと鈍く痛む。
この笑顔が、俺に向いていない事が悲しい。
自分の気持ちにケリをつけたつもりだけど
それでも、まだ雪稀の事が好きなのには変わりない。
「そ。じゃ、俺達にかわまず楽しんでこいよ。」
「そう?分かった。楽しんでくるね。」
そう笑顔で、出て行った。
きっと、帰ってくるときも
「美味しかったぁ~」なんて、嬉しそうな笑顔を浮かべて
帰ってくるんだと思っていた。
なのに、帰ってきた雪稀の顔は沈んでいて
笑顔も無理やり作ったものだって分かるくらい
痛々しかった。