噂の三兄弟と遠い約束【Berry's Cafe限定】

そして、息を吸い込みフゥーと紫煙を吐き出す。

その紫煙が目に染みて顔を顰める。

俺自身煙草は吸わないから、よくこんなもの吸えるよななんて思う。

けれど、煙草を吸う親父をそうそう目にすることがないだけあって

親父もかなり腹が立ってるんだなとも思う。


「華月と氷野に動きがあれば、それぞれに潜入させている奴から連絡が入るようになっている。」


さすが親父。抜かりがない。

華月と氷野が絡んでいると知った時点で、内通者を忍び込ませていたなんて。


「そいつらの情報によれば・・・3日後だ。」

「3日後・・・ソイツが帰国するんだな。」

「空良、早まるなよ。決定的瞬間を抑えてこそ、この計画が成立つんだ。」

「でも雪稀に何かあった後じゃ・・・」

「雪稀に危害が及ぶ前に、華月家に乗り込む。雪稀は、俺の婚約者だ。ニセモノなんかに、手を出させてたまるかっ」



決戦の日は、3日後の金曜日―――――――――

雪稀を取戻し、華月と氷野に制裁を。


御堂家全員を怒らせ敵に回したこと、心底後悔させてやるっ。


< 178 / 264 >

この作品をシェア

pagetop