噂の三兄弟と遠い約束【Berry's Cafe限定】
16.愛のカタチ

華月家別荘から陸玖さんたちと帰ってきた私は

御堂家の人達から、温かい出迎えを受け

屋敷の中に入った。


「雪稀、疲れたろう?部屋で休むと良いよ。」

「うん。ありがとう、陸玖さん。」


陸玖さんは、車の中でずっと私の手を握っていてくれた。

温かで大きな手は、私は陸玖さんの傍で居ても良いんだと

思えて凄く幸せな気持ちになった。


一人部屋に戻った私は、乱れた服を脱ぎ

彰次の触った肌を洗い流すため、シャワー室に入った。


下着を脱ぎ、何気に鏡に映った自分の姿を見る。


「っ、いやあぁぁぁぁぁ!!!!!」


鏡から目を逸らし慌ててシャワーを体中に浴びる。

目を閉じていても、さっき見た自分の体が浮かんできた。


体中に浮かび上がる、青痣。

きっと、彰次ともめている時にどこかにぶつけたんだろう。

それと共に、思い出す彰次の顔と恐怖。


熱いシャワーを浴びているはずなのに、体の震えが治まらない。


怖い、怖い・・・怖くて堪らない。


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