噂の三兄弟と遠い約束【Berry's Cafe限定】
まぁ、真純さんは仕事が忙しくて
よく家を空けているらしいから、今まで雪稀が自炊している事は
容易に推測できる。
食材や調味料、器具は一通り揃っているから
使っても何も問題は無いだろう。
「わかりました。では、楓(かえで)にそう使えておきます。」
「楓、さん?」
「あぁ、使用人頭です。あとで、挨拶に来ると思いますよ。」
「じゃ、俺達部屋に戻るよ。」
今まで静かにしていた海翔が、口を開く。
「あ、雪稀ちゃんの荷物たぶん届いていると思うから確認しといてね。」
「はい。海翔さん、空良さん、よろしくお願いします。」
俺は、正直ビックリした。
本当に2人の見分けが、付いているようだったから。
「分かるんだ。」
「はい。音が違うから。」
「音?」
「あ、私。絶対音感みたいなんです。でも・・・」
なるほど、音の違いで見分けが付いていたのか。