神名くん



チャイムの鳴る寸前程でした、神名くんが少し疲れた表情で入ってくるので、散っていた生徒たちはわらわらと基の席へと戻るのです。



そして、委員長が号令をかけ始業した。私はただ委員長の号令に合わせ、ゆっくりと着席すると、神名くんを見るたのです。やはり少々表情に疲れていると出ている事が気になり、私は先程彼にそれ程疲れることをさせたのだろうかと不安になりながら神名くんを見ていたのです。



すると、神名くんが疲れた表情をしているのに気付いたのは私だけではなかったようで、前辺りにいる女生徒が手を挙げ、



「先生なんで疲れ気味なんですか。」



と堂々と質問したので、私めは驚くことしか出来ませんでした。すると、神名くんは、



「ああ、さっきまで藤崎慎一と話ししていたから。」



と、告げてどことなく納得してしまったことは、内緒である。神名くんと慎一は、いつもどこか私には隠しているところがあり、それが共通しているようにも感じられた。だけども神名くんはどこか慎一を苦手としているようでもあって、慎一と話した直後はいつもこんな風に疲れた表情をしているのだ。



だけども、神名くんのそんなことを知っているのは、どこのクラスを見ても私と慎一くらいなので、生徒たちは小首を傾げ不思議そうに神名くんを見ています。まあ、仕様がないことなうえに、私が首を突っ込むと面倒なことになるに決まっているのでここは何も言わずに様子を見ていることに決めたのです。



関係など聞かれて困るのが目に見えているのは神名くんの容貌が綺麗だからでしょうか。正直にムカつきますね。




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