あの子の不登校事情


ん?と俊太が俺の顔を覗きこむ。

「今日の授業ラクなのに来てないしさ、
やっぱなんかあるのかもな。」


俺は表情に出ないようにごまかした。



「確かに~

今日体育とLHRと世界史くらいだもんね、」


俊太は特に気づかなかったようだ。



「うん、ていうか今日は楽すぎ。

他の日にラクさ分けてほしい」



だよな~と笑い合いながら、分かれ道になったので、
また明日、と言って別れた。


河江もいつか、毎日「また明日」って言って、
過ごせるようになればいいのに。
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