スクランブル・ジャックin渋谷

第十章 スクランブル・ポリス

ハチ公前広場
 宏が、交差点に向かって歩き出している。

 渋谷駅構内から、体格の良い、ヤクザ風の男性50人がやってきた。宏の後を、ついて歩く。数名は、パンチパーマをかけている。

 周囲の人たちは、怖くて彼らのために道を開けた。これから何が始まるのだろうか。怯え、不安げに見守っている。

 宏と男性たち、交差点の中央に向かって歩く。
 歩いている、真剣そうな宏の顔。

交差点
 交差点の中を歩いている、宏たち。

 宏、その中央で立ち止まる。その後ろで、彼らもまた、立ち止まった。彼らの背後には、渋谷駅がある。

 各通りから、組長を先頭にヤクザ50人が胸を張って、威勢よくやってくる。

 威風堂々と歩いている、「道玄坂組」の組長。いかついた顔をしている。宏の前で、立ち止まる。

 子分たちも、組長の背後で立ち止まる。
 歩道上の人たちは、心配そうに見守っている。

 総勢102人が、交差点の中央で対峙している。
 宏と組長が、目をぎらつかせながら、睨み合っている。

 睨む、宏の目。眼光するどい組長の顔。

 宏、ツバを飲み込み、弱腰の態度の表情を見せてしまう。組長の鬼気迫る迫真の凄みには、勝てそうにもないようだ。

 組長、宏の背後にいる部下たちの顔をジロっと眺める。
 宏の背後にいる、屈強な部下たち。
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