白銀に散る

私の名前は凪苑という。風が凪ぐ、の凪に紫苑の苑で、なあや。

私はこの名前が、珍しいのかそうでないかを知らない。
この国は殆どの人が苗字を持っているらしいけれど、私は自分の苗字を知らない。もしかすると、戸籍とやらも無いかもしれない。無くても今現在は生活出来ているので、困ることもない。

俗に言う、私は世間知らずなのだろう。
ガスも電気も通らない森に住んでいて、町に出るのは年に1、2度。電気の意味は知っているけど、ガスは未だによくわからない。

そんな私でも、知っている事がある。
それは、私が普通じゃないことだ。

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