白銀に散る
エピソード1

森の朝は肌寒い。私はたった今顔を洗うのに水を借りた小さな泉を見下ろして、ぼんやりと思う。

森の朝は肌寒い。なのに、森は暖かいと感じる。
それはきっと、森が私の棲み家だからなんだろう。


泉に映った自分の顔を見下ろして、寝癖を確認した。
うん、大丈夫。
寝癖がついていたって誰にも見られやしないけど、何となく確認してしまうのは、きっと母の影響なのだろう。

寝癖がついていないのを確認した私は、泉の中の自分の顔を、泉に手を入れることで揺らす。

冷たいけれど、思ったよりは温かい。今日の泉は機嫌がいいらしい、と笑った私の顔は、まだ揺れていた。

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