虹になる日がきたら
「太一、今週末に高原にウチを買収契約をしに行くから代行してくれ」
この時が来たか。
でも、この間よりは受け入れられてる自分にビックリしてる。
「わかりました」
「先方もウチを気に入ってくれてね、太一に次期社長の片腕にって話もあるんだよ」
はぁ?
「家のことは銀次(次男)に頼むし、太一にはもっと広い視野をって…」
世界が広がる。
でも、高原の息子ってのが
「暫く考えてくれ」
今日の仕事をこなして住まいに帰宅すると
「来ちゃった!」
元カノが居た。
「何しに来た?」
「相変わらず冷たいな…高原さんは優しかったわよ?」
今の俺には“高原”はNG
「お前みたいな奴、ヤリ捨てがお似合いだ」
図星だったのかヒステリックになりウルサいから
″ダンッ!!″
女に手を挙げるほど廃れてないが、気に触る事したコイツが悪い。
「調子こいてんなよ?」
女の又の間スレスレに蹴り上げ
火事の時使う赤い扉にくっきりと足跡が付いた。
″ガチャッ″
あれっ?
「佐原…さん?」
俺の部屋の隣から出てきた七子。
その後ろからはキレイな顔の若造が顔を出した。
「わりーな、サンキュー七子」
「あっ…ガッツリ食べなよ?体力勝負なんだから。じゃぁね」
「遅れなくてわり」
「…大丈夫」
あの時の苦笑いをした七子
「昨日の今日で上手くいったんだ?」
「///えっ違っ…上手くは…いってない…」
寄りにも隣人だったなんて……淡い恋心は泡となって消えた。
「佐原さん、あの…ね……「あぁ、大丈夫大丈夫。言わない」
安心した顔になるかと思ったらやるせなさそうな顔になった。
「何かね……昨日の今日だから恥ずかしくて、今日やっとあいつから連絡きたと思ったら引っ越しの片付け手伝えって…なんか、女として視られてないけど、昨日の佐原さん…私を女として視てくれたから…その…上手く言えないけど……」
「女の子は優しく扱わなきゃ…七子、もう少しだろ?頑張れ」
勘違いをさせちゃいけないし、しちゃいけない。
俺は今、好きに生きちゃいけない。
会社の未来にならなきゃいけない。
そう、誓ったんだ。