虹になる日がきたら
「6」
「幼女盗撮容疑・痴漢容疑・強姦容疑・下着窃盗…総て示談で済まされていましたが、これらを見逃す事は出来ませんねぇ…」
「なっ…何を言いだすか…はははっ馬鹿馬鹿しい!この僕が女の不自由が有ると思うのか?そんなので「出鱈目じゃないんですよ?ですよね社長?」
「娘の婚約者が何をしていたのかまず先に調べるのが普通だろう…はぁぁあ君もダメだな!
この話は無かった事にして貰えるとお互い笑顔でいられますかな?」
ぐうの音も出ない感じだ。
後日、婚約を白紙にして下さいと親から連絡があった事は琉喜から連絡があった。
それは置いといて、次の日だった。
「社長…ここは」
墓所だった。
「あれまっ!珍しい友達だな?柊斗」
「オジサン…オバサンご無沙汰してます」
そしたら蹴りが飛んできた。
「んだと?」
「はははっ!相変わらずで良かった。晴斗さん」
「お前も相変わらずだね一寿」
「虹さんも久しぶり!相変わらず美人だ」
「……柊斗の三回忌来てくれてありがと」
「葬式も一回忌も来れなかったからね…」
2人が苦笑いをした。
「風の噂で仕事が上手く行ってるって聞いたよ」
「腕の立つ秘書のお陰かな?」
「後ろの彼が?」
「佐原と申します」
頭を下げた。
「……美玲は?」
美玲?
「“柊斗”と言う兄が居たことは記憶にあるみたいだ…
ただ、あの日の事が記憶から消されてるから何で家に居ないのかは判ってない」
「俺のせいで申し訳″ガンッ!″」
殴られた。
「謝られにココに来たわけじゃね~よ!何回言うんだよ…次言ったら沈めっぞ」
「……美玲は元気?」
「まぁ…隠してもバレるからな。美玲は笑わなくなった。頭のどこかで覚えてるんだろうな…自分では笑ってるつもりだけどな」
社長にどんな過去があったのだろうか?
それを知ったのは帰りの飛行機の中だった。
あまり、友人の親御さんと話さなかったが“一寿”にとっては大事な人達なんだろう。
飛行機の中では“高原一寿”だった。