虹になる日がきたら
「社長?そら様がお越しですが?」
NY支社に戻った日から1週間が過ぎたある日
ズカズカと社長室に入ってきたそらに
「珍しいお客ですね?」
「なんて事したの!?」
「琉喜君に恩返ししたまでです」
「それが余計なのよ!」
余計って
「じゃぁ…好きでもない男に一生抱かれて幸せなのかよ!?
あんだけ想われて大事にされて、やっと幸せになってくれるって期待したのに……俺が甘かったよ…」
その悔しい顔…この間も見た
「そらさん…ちょっと」
「佐原君?」
第一会議室に来た。
「一寿ってさ、家族を超大事にしてるの知ってた?
特にそらさんの事…自分を初めて人間扱いしてくれた人って事になってるみたい。
琉喜に恩返しって言ってるけど、本当はそらさんの為なんだよ…。
あいつ、日本に帰るのに相当無理したんだよ
だから“ありがとう”位言ってくれると嬉しいかも」
一寿のあの顔は悔しいと言うよりも拗ねてるって感じだ。
「高原家ってね、相続関係で1家族に1人しか子供を産んじゃいけないことになってて、でもお父様の代…つまり私達は2人になって自然的に下の子供は煙たがられる
だから私はチャント守ってあげようって…表だってやると共倒れするから…
間違ってるのは知ってたけど、半分しか血が繋がってないけど家族だから…
弟に1回位甘えてもいいかしら?」
琉喜、君の願いは通じたみたいだよ!
後日、来年辺りに婚約披露が行われると琉喜からメールが来た。
良かったねそらさん…琉喜…一寿
「社長、琉喜からメールが……」
表情でわかった。
「あぁ、僕の所にも今届きました」
「良かったですね」
「そうですね、年的にこのくらいですかね」
なんにせよ、これからが大変だけどやってけるかなコイツ(一寿)となら
~太一said終~