虹になる日がきたら


「社長?そら様がお越しですが?」


NY支社に戻った日から1週間が過ぎたある日



ズカズカと社長室に入ってきたそらに


「珍しいお客ですね?」


「なんて事したの!?」


「琉喜君に恩返ししたまでです」



「それが余計なのよ!」


余計って


「じゃぁ…好きでもない男に一生抱かれて幸せなのかよ!?
あんだけ想われて大事にされて、やっと幸せになってくれるって期待したのに……俺が甘かったよ…」



その悔しい顔…この間も見た





「そらさん…ちょっと」


「佐原君?」


第一会議室に来た。



「一寿ってさ、家族を超大事にしてるの知ってた?
特にそらさんの事…自分を初めて人間扱いしてくれた人って事になってるみたい。
琉喜に恩返しって言ってるけど、本当はそらさんの為なんだよ…。
あいつ、日本に帰るのに相当無理したんだよ
だから“ありがとう”位言ってくれると嬉しいかも」


一寿のあの顔は悔しいと言うよりも拗ねてるって感じだ。




「高原家ってね、相続関係で1家族に1人しか子供を産んじゃいけないことになってて、でもお父様の代…つまり私達は2人になって自然的に下の子供は煙たがられる
だから私はチャント守ってあげようって…表だってやると共倒れするから…
間違ってるのは知ってたけど、半分しか血が繋がってないけど家族だから…









弟に1回位甘えてもいいかしら?」



琉喜、君の願いは通じたみたいだよ!



後日、来年辺りに婚約披露が行われると琉喜からメールが来た。







良かったねそらさん…琉喜…一寿




「社長、琉喜からメールが……」



表情でわかった。



「あぁ、僕の所にも今届きました」



「良かったですね」



「そうですね、年的にこのくらいですかね」




なんにせよ、これからが大変だけどやってけるかなコイツ(一寿)となら





~太一said終~






< 37 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop