虹になる日がきたら

「7」



溜め息をして気付く。


今、自分の置かれてる状況に



「っ!?出てって」


「なんで?」


なんで!普通は


「この分じゃ、いつ又美玲のから「警察呼びますよ!」


「恥ずかしがり屋だな美玲は。下着を用意して待ってるからな」


シャンプーのボトルを投げてやった。


クリーンヒット


「最っっ低!」


扉の向こう側から突然副社長が


「美玲の理想はどんなのだ?」


「?………理想?」


真面目な声に一瞬気をもってかれたが



「柊兄と常識人です!」


「ははっブラコン」


「理想なんて聞いてもだめですよ…一君が柊兄になれるはずないし、一君は一君なんだから!」



「そうか……」



声色が下がった気がした。



「柊兄は兄だからね」


付け足した。





「…ッフ」


バスルームから離れた気配がした。



「私、あの人に踊らされてる?」


この短期間で他人の性格を熟知しなきゃ無理な気もするけど?


頭が良い人は自分好みに人を動かせるのかも。



「下着、この紫にしたよ!」


前言撤回。


エロ大魔王め






「あんまりふざけてると訴えるよ!」


リビングに正座させて上からものを言う私。


「ゴメンナサイ」


「もう用事もないでしょ?さっさと帰って」








「もう、泣かない?」


えっ?


「柊も俺も美玲がいつも笑顔だったら嬉しいんだ!」



確かに涙は乾いていた。



「美玲が泣くなら俺はいつだって美玲の側でエロ大魔王にでもなるよ」


ならんでいい。


「頭痛くなるからもう泣かないよ」


不意に頭を撫でられた。


「////」


その柔らかな笑顔は凶器かも。


「キスしたくなるからその顔止めろ」


「!!??」


より一層赤くなった頬に一君はキスした。


目が合いそのまま唇が触れ合った。



流されてしまう前に止めなきゃいけないのに頭がそれを拒む。



部屋に響くリップ音


ルームウェアは徐々に脱がされていき夜を共にしてしまった。






朝方


「美玲?起きて」


「………」


「美玲?」



「……」



「鞍橋君!」


「はいっ、副社長……?」



「着替えダケもって」



睡い目をこすりながらスーツを持った。



車に乗って副社長のマンション…でわなかった



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