運命みたいに恋してる。
運命と本物の気持ち
来た。ついに、来てしまった……。


ゴクリと唾を飲み込むあたしの目の前には、古民家風の小さな民宿が建っている。


屋根は瓦で、壁は白い漆喰。周りに黒い柵がめぐらされていて、大きな古い木製の看板に書かれた宿名は、お姉ちゃんから届いた封筒に印刷された名前と同じ。


間違いなく、ここだ。


これから起きることを想像すると、さすがに心臓がバクバクしてくる。


「ほら、いつまで突っ立っていてもしかたない。行くぞ」


隣で同じように民宿を見上げていた大地が、あたしの肩をポンと叩いた。


「さあ、勝負しに行こう!」


ビビッているあたしを勇気付けるような明るい声が胸にジーンと響いて、じわじわ勇気が湧いてきた。


そうだよね。旗振りしたあたしが、こんな弱気じゃだめだ。しっかりしなきゃ!
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