おやすみ、先輩。また明日
わたしだって、宇佐美先輩なんか嫌いだ。
泣きたくて泣いてるんじゃない。
せめて声が漏れないように、唇を噛みしめる。
「別にさ、俺は杏ちゃんが憎くて言ってるわけじゃないんだよ」
わかってますよ。
ヤンキー先輩のことが心配だから言ってるんでしょ。
それならわたしに文句なんて言えるわけない。
宇佐美先輩は友だちとして、ヤンキー先輩のことを守ろうとしてるだけなんだ。
だから宇佐美先輩から見れば、わたしは害でしかないってことなんだろう。
それが悲しい。
それは正しいから。
「……何やってんだ」
その時、低くて掠れた声が横から聞こえて。
突然すぐ横にあった宇佐美先輩の体が離れた。