強迫性狂愛
「なんで謝る」

「だって……迅、怒ってるでしょう?」

「怒っていない」

「怒ってる」

「勘違いだ」

「じゃあ、なんで…?」


なんで、そんなに不機嫌なの?

迅の溜息が一つ落ちたかと思うと、今よりも強く抱きしめられた。


「百花は、俺のものだ。他の誰が触るのも許さない」


何度も、呪文のように聞かされてきた言葉が、静かに私の心に沈んでいく。


「ん…」

「嫌なんだ…」

「わかってるよ…」


迅は、時々こうやって甘えたになる。

外見からは想像もできないような、捨てられた子猫みたいになる。

私は、そんな迅をいつのまにか愛おしく思うようになっていたんだ…。

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