強迫性狂愛
「家族犠牲にして、汚たねぇことも進んでして……やっと欲しいものを手に入れるようになった時にはさ」


「時には…?」


「もう、欲しいものは……手にいられない場所にあったんだ」


「――…そう、」


「でも、親父ってすげぇ執着心強くて…欲しいもの、ずっと待ってた。すげぇ一途にさ」


「……すごいね」



百花の言葉が、どこか遠くに響く。



「そうしたら、やっと――…手に入ったんだって」


「そうなんだ…」


「あぁ、欲しいって思った時とは……形は大分違ったみたいだけど…親父、すげぇ幸せそうでさ」


「そうなんだ、嬉しいね」


「……俺さ…」



顔を横に向けて、百花の澄んだ瞳を見つめた。
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