強迫性狂愛
「え…と、今日ね、具合が悪くなって。その、助けてくれたの」


「………」


「な、名前で呼んでって…言われたから――…っ、迅っ!痛い!」



私の言葉を聞いていたのか、聞いていないのか、迅は、いきなり私の傍にくると私の腕を掴んで歩き出した。



「痛いよ!迅……っ!やだ…恐いっ!」



何か話して。


どうして怒ってるのかわからないまま、抱かれるなんて――…絶対にいや……


視界が反転したかと思うと、自分がベッドに沈んでいるのだという状況がやっと飲み込めた。



「迅、恐い。恐い…やめて…」



いつも以上に、眉間に皺を寄せたままの目の前の迅は、ひどく冷たく感じた。


今までどんなに不機嫌そうでも、どこか優しい雰囲気は感じられたのに。


今は、ただ――…恐い…


ギュッと瞳を閉じると、迅がゆっくりと私の首筋に唇を寄せてくるのがわかった。
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