強迫性狂愛

「悪い、言葉が悪かった。百花、行こう」


「え？どこに？」


「教室？」


「………」



あと１０分、されど１０分。


１０分の間でも、自分のいたくない空間にはいたくない、と思い返事を渋っていると



「…遊園地でも行くか」


「え？」


「行こうか、遊園地」


「え？遊園地って？」


「ほら、行こうぜ。学校なんてさぼってさ」


「で、でも…っ」



翔くんに掴まれた手に躊躇していると



「嫌なら嫌だって、逃げる時も必要なんだよ。無理すんなって」


「……は、…」


「ん？なに？」



思わず零れてしまった吐息に、優しく微笑見返す翔くん。


どうして―…こんなにも優しくしてくれるの？


どうして…私が欲しい言葉をくれるの？