強迫性狂愛

千華家

あっという間にその日は、やってきてしまった。


まだまだ先のこと…そう思っていたのは、遙昔のことのように感じていた。



「――…苦しい、紅…」


「仕方ないでしょ?一応、結婚の両家顔合わせなんだから」


「………」



自分の親戚と言われても、会ったこともなければ、見たことも聞いたこともなかった。


そんな人たちと今から会うだなんて…。



「やだ…」


「百花、泣かないで。黒澤さまと高浜さまも一緒よ?」


「だけど」



立場上傍にいるのは、翔くんで…



「大丈夫。百花を悲しませるようなこと、決してさせたりしないわ」


「………」



紅の力強い言葉に、小さく頷いてから、迎えにきた翔くんの車に乗り込んだ。
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