強迫性狂愛
「触るな」

「……え?」

「俺以外に触れるな」


最初は威圧的なのだと思っていた瞳も

側にいれば、いる程に…ただ、いつも寂しそうに揺れているように思えてきた。

迅の言葉が強く、切なく…そして、哀しく…私の心に重く沈んでいく。


「――…迅……」


クラス中が一斉に静まり返ったのが肌で感じ取れた。

握られた手をそっと握り返すと


「迅、あの…」

「行くぞ」

「……ん」


私の手を強く握ったまま席を立ち上がる迅にただ、釈然としないままついていくことしかできなかった。

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