強迫性狂愛
ゴーグルしてるから、余計に誰かわからない。

毎日迅と一緒にいるために、クラスメイトとの関わりが極端に薄い百花は、クラスメイトの大半の名前を知らないでいた。


「泳がないの?」

「え…あ、紅が来てから」


曖昧に言葉を濁すと


「そう、なら、邪魔なの、そこ」

「あ…そっか、ごめんなさい」


ここから泳ぎだすのだと思い、それなら私は邪魔になるな、と気付いて慌てて、よけようとした瞬間


ズルッと足が滑ったのがわかった。


やばい


そう思ったときには、遅くて


思いっきり水しぶきを上げて水の中に体が傾いたのがわかった。
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