悪魔な天使



「そんな怒るなって~!」

「別に…怒ってないけど?」



怒ってなんてない…
むしろ悲しいんだよ。

どうしても私は瞬にとって
ただの遊び相手でしかない。


どうしたらいいの…?




どうしたら、好きになってくれるの?






ガチャリ



「失礼します」

「し、失礼します!!」


いつの間にか会議室に着いていた。

中には…知らない人ばっかりだ…




「あ、瞬くんも運動会委員なの?いが~い」

「やっぱりかわいいね~!」

知らない先輩が瞬に声をかける。


…ズキ……



年上の方が好き?


「いやぁ、じゃんけんに負けちゃって…!」


「かわいそ~ぅ!」


きっとこの先輩たちも、瞬のこと好きなんだろうな。


「で?こんな子と組まされちゃったって訳?」

「絶対瞬くんが委員になったからだね~!」



…酷いよ。
確かに瞬のことは好きだけど…

そんな気持ちで運動会委員になった訳じゃない。



でもきっと瞬はこう言うんだ。

「そんなことないですよ」

って、笑顔で。
みんなの前では天使でいなきゃいけないから。



私は、瞬のおもちゃでしかないから。





「…黙れカス、コイツのこと、何も知らねぇクセに知ったような口聞くんじゃねぇよブスが!」





……………え?





「ちょっと…瞬……?!」


今…瞬が……

悪魔だった。



「とっとと消えろよ。」



「…瞬くん酷いっ…!」

「何よ…!そんな女…!」



先輩達は、走って逃げてしまった。








< 23 / 25 >

この作品をシェア

pagetop