光に向かって…
私が
長い
長い眠りから
目を覚ますと
枕元に
とても綺麗な
小箱が
置いてあった


手に取って
金色のリボンを
ゆっくりと
引いてみる


スルスルスル


はらりと
リボンが
床に落ちる


小箱の蓋を
慎重に
開けてみた


音がなった
とても
穏やかな
愛を奏でる
メロディーがした


私は小箱を
耳に近づけると
目を閉じ
愛の音に
集中した


ゆっくりと
優しさに
包まれるのがわかる
心と身体が
優しさで
コーティング
されていくのが
感じられる


頑なな
私の心を
溶かしてくれる


そこには
愛が溢れていた


小箱から聞こえる
愛の音は
やがて
消えてなくなった


途端に寂しさが
私を襲う


けれど
優しさで
コーティングされた
私の心と身体は
強かった


今度は私が
小箱に
たくさんの
愛を
詰め込んだ


素敵な
愛の音を
奏でる様に
たくさんの
愛を
詰め込んだ


次に
小箱を開ける
誰かの為に


愛の音を
聞かせて
あげれるように
優しさで
心と身体が
包まれます様に


小箱の蓋を
そっと
閉めると


私は
丁寧に
金色のリボンを
かけた


次に
この小箱を
開ける人は
どんな風に
このリボンを
解くのだろうか


私は
知らぬ間に
笑顔に
なっていた






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