光の庭
〜最終章〜
「…良く人生を、旅に例える事ってあるよね〜」

同僚の安達が、仕事帰りに入った居酒屋でそんな事を口にした。

「昔、誰かに言われた事がある気がするよ…」

酒も入っていたせいか、花倉はうっかり『光の庭』の話を安達にしてしまっていた。



「へ〜面白い話だね〜オレそうゆう話、結構好きだぜ〜」

安達も酒が入っていたせいか、この不思議な話を面白がって聞いてくれた。

「花倉が結婚しない理由って、そのせい?」

「え?どうして?」

「だって、その相手を待っているんだろ?」

「結婚して子供もいる相手を?ははは…ナイナイ…」

花倉は手をヒラヒラとさせて否定した。

「待っているように見えるけど?」

「いや、賭けは自分の負けで終わったから…その後どうなるのかは、相手しか分からないし…」

酒の入ったグラスを、もてあそびながら花倉は答えた。

「ふ〜ん…でも、期限があるんだろ?実は勝ってたかもよ?」

安達は客観的に意見した。
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