【完】アタシは3代目。
「ガハハハハ」
下品な笑い声が聞こえる。
「お嬢。いい感じに盛り上がってるっすね」
アタシに話し掛けてきたのは、アタシより一つ上の猿山 紀一(サルヤマキイチ)。
通称;サル
顔はかっこいい方なんだけど、サルってついてる。
紀一のかっこよさに嫉妬した年配組が、「サルでいいんじゃね」ってことを言い出して、今に至る。
「紀一。そろそろあれを、始めるとするか」
「分かりました。皆さんに、言ってきます」
そう言って紀一は、走っていった。
転ぶなよ……って、転んでるし…。
落ち着きのないやつだ。