canson you and me ―私と貴方の歌―

新家~私の新しい家ⅱ~


「なんでここに、青琉ちゃんが居るの?」
突然羽伊佐月光が私に聞いて来た。
「あら、知り合いなの?」
「1か月前に、学校でね。」
鳳聖水霧が女の人に受け答えた。
「あら、そう。青琉ちゃんを今日からアタシが預かる事になったから。」
「「「「「は?」」」」」
ずっと黙っていた、柳蔭寺連夜もさすがにこれには驚いてる。
私の肩を抱いて、一歩前に出す女の人に私は横にしがみついた。
「青琉ちゃんは、両親を8年前に亡くしたのよ。」
『・・・』
「それから、親戚の家を転々として来たのよ。」
「え・・・じゃぁ・・・」
鳳聖水霧は何か言いたげで、柳蔭寺連夜を見た。
「じゃ、俺とその子は親戚か?」
女の人に質問して来る柳蔭寺連夜。
『え・・・?』
私は女の人の顔を見上げた。
「違うわ。この子の母親は私の親友でね。」
「親友?」
羽伊佐月光が聞き返す。
「そ。アタシと蒼蘭は小学校2年生からの親友。蒼蘭っていうのは、この子の母親。」
蒼蘭・・・久しぶりに聞いた。母の名前・・・。
「青琉ちゃん、紹介するわね。って、言っても、知ってるか。同じ学校だもんね。」
私は小さく頷いた。
「アタシの名前は、柳蔭寺唯。そのバカの母親。」
柳蔭寺連夜を指差して微笑んだ。
『母・・・親?』
「そう。貴方の一時的な部屋は、2階のアタシの部屋を使って。」
『一時的な・・・部屋?』
「そうよ。1カ月後、アメリカに来てもらうから。」
『ア・・・メリカ?』
「そう。アタシはアメリカで仕事しててね。だからそっちで貴方を預かろうと思ってるの。」
『・・・はい。』
私は小さく答えるしかなかった。
私は預かってもらう身・・・飼ってもらうんだ・・・野良猫の様に・・・。

私は何処に居たいなんて、

何処に住みたいだなんて・・・そんな事・・・・・・・・・言えない。
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