canson you and me ―私と貴方の歌―

事故~葬式~



南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏・・・

今は葬式の真っ最中。
「ねぇ、何よ。あの子。育ててもらったのに、涙も流さないなんて・・・。」
「おい。声がでかいぞっ!!」

聞こえてるよっ!!
でも分かってる。泣かなきゃいけないのは・・・。
でも、嬉しくも悲しくないんだ。

葬式が終わるとガラの悪いオジサンが話しかけて来た。
「ほら、君の次の家だ。」
その手には小さな紙。
『ありがとうございます。』
私は躊躇いながらもその紙を受け取った。
「明日には出なさい。ここは私達に任せていいから。」
用無しか・・・。邪魔なだけか・・・。
『分かりました。』


―――――消えてしまえばいい・・・そう思った。
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