もう春は来ない


 それだけはわかっていた――



 僕は、教室の隅に今日も集まっている女子に目を向けた。

 ソイツらの笑い顔はいつも不愉快で、とくに、あのーリーダー格のアイツの笑い声は、いつも僕らを無口にさせた。

 だけどそんなこと、昨日までの僕にはどうでもいいことで。

 だけど今日は、ソイツらがやけに腹ただしく思えた。


 だって、


 だって僕は、




 キミの笑顔を、ここで……、この教室でも見ていたいと、ホントに思ったから。


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